⻭を磨くと出⾎するのはなぜ︖
⻭磨きをすると歯茎から⾎が出たとういう経験はありませんか︖出⾎は気になるものの、痛みはなく、すぐに⾎が⽌まるため、そのままにしてしまう⽅も多いのではないでしょうか︖
しかし出⾎するということは、お⼝の中で何か不具合が起こっているサインかもしれません。お⼝の中ではどのようなことが起こっているのか、⻭茎から出⾎する主な原因を⾒ていきましょう。
歯ぐきから出血する主な原因
● ⻭周病
⻭の磨き残しなどお⼝のケアが不⼗分だと、細菌の塊である⻭垢(プラーク)が溜まります。プラークは、歯と歯茎の隙間から身体に侵⼊しようとします。細菌の侵⼊が歯茎で炎症を引き起こし、⻭⾁炎や⻭周病となります。この炎症が起きている部分は刺激に弱く、⻭磨きなどの刺激によって出⾎する場合があります。
過去のコラム「お口と全身の関係」でも紹介した様に、⻭茎の出⾎と⻭周病は⼤きく関係しており、⻭茎の出⾎の90%以上が⻭周病からといわれるほどです。⻭周病がひどくなると、⻭茎から膿が出たり、⼝臭の原因になります。⻭磨きの時に頻繁に出⾎したら⻭周病が進んでいる可能性があります。
● ⻭を磨く力が強すぎる場合
適切な⼒で歯磨きをしないと、⻭茎を傷つけて出⾎を起こします。
⼒を⼊れすぎてしまうと、⻭ブラシの⽑先が歯や歯茎に押し付けられてしまい、汚れを落とすこともできません。歯ブラシは軽く鉛筆を持つように握り、軽い力で細かく動かして磨きましょう。
● 虫⻭の進⾏
虫⻭を放置していると、虫⻭の原因菌が⻭の神経まで到達して、⻭茎にまで炎症が及びます。このことが原因で出⾎することがあります。
● 薬や病気の影響
⾎をサラサラにする薬や、⾎圧を下げる薬などを服用している場合に、⻭茎から出⾎しやすくなることがあります。
また、様々な病気が出血の原因であることもあります。
● ホルモンバランスの変化
妊娠中はホルモンバランスの変化や、唾液量が減少するため、唾液の⾃浄作⽤も弱くなり、歯茎から出⾎しやすい口腔環境になってしまいます。さらに妊娠中は、つわりなどの体調の変化もあるため、⻭磨きができない時はうがいをするなど無理のない範囲でお⼝のケアを⾏いましょう。
またかかりつけの⻭科医院で、妊娠中のケア⽅法など相談するといいでしょう。
⻭茎からの出⾎は⻭周病であることが多いので、痛みがないからと放置せず、ひどくなる前に早期発⾒・早期治療が重要です。
参考
公益社団法人日本口腔外科学会 https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/ha/hareta/