非常時にも大切なオーラルケア
9月は防災の日があることから、防災月間となっています。備蓄品や持ち出し袋の内容の確認、避難経路や家族との連絡方法、家具の転倒対策など確認をしておきましょう。
また、歯科医院の立場からお願いをしたいのが、非常時のオーラルケアについてです。非常時にはいつもと食べるものが変わったり、使える水が制限されたりトイレが不足するなど水分を取りづらくなったり、環境の変化でストレスが溜まりやすい環境になってしまいます。また、歯磨きにまでなかなか気が回る余裕がなく、お口が不衛生なままになってしまうと、虫歯や歯周病などお口だけでなく、誤嚥性肺炎など全身の健康状態に影響が出てきてしまいます。そうならないために、歯ブラシなどどんな口腔ケア用品の準備が必要か、ケアのポイントなどをご紹介しますので、何かある前にこの機会にしっかり準備をしておきましょう。
非常時の持ち出し袋に用意しておきたいもの
- 歯ブラシ:ひとり1本ずつ用意しておきましょう
- 液体歯磨きや洗口液:水がない時でも歯磨きができます。家族で1本あると便利です。
- 入れ歯ケースと洗浄剤:入れ歯の方は、入れ歯を外して歯茎を休ませることも大切です。
持ち出し袋に余裕がある場合は以下のようなものを入れておくとさらに便利です。
- ウエットティッシュ:水が少ない時に、歯ブラシの汚れをふき取るなど何かと便利です。
- フロスや歯間ブラシ:お口の汚れをさらにきれいにできます。普段使っているものを用意しましょう。
- キシリトール入りのガムやタブレット:キシリトールの効果で虫歯を予防したり、ガムを噛んだりキシリトールの甘みで唾液をしっかり出すことでお口をきれいにする助けになります。キシリトール100%のものがおすすめです。
事前に知っておきたいケア方法
水が少ない時の歯磨き
少量の水をコップに注いで、歯ブラシを湿らせて歯を磨きます。歯ブラシが汚れてきたら、ウエットティッシュなどでふき取ってから、再びコップの水で湿らせてから歯を磨きます。最後に、コップの水でうがいをしましょう。この時に、液体歯磨きや洗口液があると効果的です。
歯ブラシが無い時のお口のケア方法
歯ブラシが無い時は、食後に水やお茶でうがいをし、ハンカチやティッシュを指に巻いて歯の表面をぬぐうだけでも効果があります。
唾液線マッサージ
唾液腺は3か所あります。耳下腺は手で優しくくるくるとマッサージをする、顎下腺、舌下腺は指で軽く押すと唾液が出やすくなります。
これらは、下記ホームページの動画でも紹介されていますので、事前にチェックしておくと、いざという時に役立ちます。この他、非常時のオーラルケアや防災用品のリスト、ハンドブックなど役に立つ情報がたくさん掲載されていますので、参考になさってください。
サンスター 覚えてください、防災にオーラルケア https://jp.sunstar.com/bousai/top.html
日本歯科医師会 災害に関する情報 https://www.jda.or.jp/disaster/